報道番組Nスタを視聴中、四十代のアナウンサーがある話題に触れ、事実と異なる噂の拡大現象を「尾ひれはひれがつく」と繰り返し説明していた。「尾ひれがつく」噂の拡大はある。が、「はひれ」という魚のヒレはなく、慣用上の逸脱表現といえる。
中年アナウンサーの表現意図を考えるてみる。
おそらく「根も葉もない」や「根堀り葉堀り訊ねる」という語呂を併せた慣用表現が手がかりになる。
かれの表現意図は噂の拡大現象の極端な程度を問題視して「尾ひれがつく」の強調型表現として「尾ひれはひれがつく」と言ったのだと思われる。
報道番組Nスタの場合、アナウンサーにニュースの読み上げばかりではなく、識者のコメント紹介や私見を口にさせる傾向が強く、番組制作における偽善のトラップと言える姿勢が見受けられる。報道番組のあり方を考えると、個人の人格印象の押しつけには違和感しかなく、親近感の対極を自己演出してしまう仕儀となる。
「尾ひれはひれがつく」という言い方は話者の表現意図が慣用表現の閾値を踏み越えてしまった好例だ、と考える。
報道機関としては日本語チェックは必須のはず。オールドメディアの番組制作、意図的解説は世論喚起の恣意的操作と言える。